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「令和4年度 税制改正要望が公表」コロナ禍を鑑みた要望も!

最終更新日:
令和4年度税制改正要望が公表

2021年(令和3年)8月31日、令和4年度の税制改正要望が公表されました。
税制改正要望とは、各省庁の税制改正に関する要望がまとめられたものです。

税制改正要望を元に、政府税制調査会や与党税制調査会の議論を経て、税制改正大綱が閣議決定されます。
そして、この税制改正大綱を基準に法案が作成され、翌年度4月から新しい法が施工されます。

税制改正の流れは?

税制改正は、以下のような手順で施行されます。

  1. 政府税制調査会(政府税調)
  2. 税制改正要望【8月末】
  3. 政府税制調査会による議論
  4. 与党税制調査会による議論
  5. 与党税制改正大綱の発表【12月】
  6. 政府税制改正大綱の発表
  7. 税制改正法案の公表【1月~2月】
  8. 国会での審議・採択を経て施行【4月】

相続税に関連した令和4年度の主な要望

令和四年度の税制改正要望は、財務省のホームページで確認できます。

その中から、相続に関係する要望に関して、以下の表にまとめました。

No 項目名 要望の内容 省庁 税目
1 上場株式等の相続税に係る見直し 上場株式等について、相続税評価方法等の見直しを行うこと。また、物納の場合の手続について、要件の見直しを行うこと。 (平成28年度から継続要望) 金融庁 相続税
2 死亡保険金の相続税非課税限度額の引き上げ 死亡保険金の相続税非課税限度額について、現行限度額※に「配偶者及び未成年の被扶養法定相続人数×500 万円」を加算すること。 (平成3年度から継続要望) 金融庁 相続税
3 住宅ローン減税等の住宅取得促進策に係る所要の措置 住宅投資の波及効果に鑑み、新型コロナウイルス感染症拡大及びまん延防止のための措置等による影響を含めた今後の経済情勢等を踏まえ、2050 年カーボンニュートラルの実現等を図る観点も含め、必要な検討を行い、所要の措置を講じる。 国土交通省、
復興庁、
環境省
所得税、
相続税、
贈与税、
登録免許税
4 相続登記の促進のための登録免許税の特例措置の拡充及び延長 所有権の登記名義人が死亡した後も相続登記がされない土地について,その主要な発生原因の一つとして相続登記に係る費用の負担が指摘されている。このため,土地の相続登記に係る登録免許税について特例措置を設けることで相続登記を促進する。 法務省 登録免許税
5 博物館の機能強化を図る法改正に伴う税制上の所要の措置等 関連の法改正を前提に、博物館法における登録等を受けた博物館に関する税制上の所要の措置を行う。(令和3年度から要望)
○相続税関係
・登録美術品についての相続税の物納順位の特例
・特定美術品についての相続税の納税猶予及び免除の特例
文部科学省 所得税、
法人税、
相続税、
その他の国税
6 基金拠出型医療法人における負担軽減措置の創設 持分なし医療法人への移行を促進するため、持分の払い戻しが経営に与えるリスクの高い医療法人について、持分あり医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際に、当初出資金を超える部分に課税される「みなし配当課税」を、基金が払い戻しされるまでの間、納税猶予する措置を講ずる。さらに、基金拠出型医療法人への移行後、相続・贈与発生時の基金にかかる相続税・贈与税を
猶予する措置を講ずる。
厚生労働省 所得税、
相続税、
贈与税
7 コロナ禍等を踏まえた法人版・個人版事業承継税制に関する検討 非上場株式等に係る納税猶予制度について、コロナ禍の影響も含め、事業承継の実施状況や本税制の活用状況等を踏まえ、必要な税制措置を検討する。 経済産業省 相続税、
贈与税
8 障害者総合支援法及び児童福祉法等の見直しに伴う税制上の所要の措置 障害者総合支援法及び児童福祉法等について、社会保障審議会において見直しの検討を行っており、その検討結果を踏まえて税制上の所要の措置を講じる。(長期検討) 厚生労働省 所得税、
相続税、
贈与税、
法人税、
消費税、
登録免許税、
国税徴収法
9 感染症有事に備える取組に伴う税制上の所要の措置 経済財政運営と改革の基本方針 2021(令和3年6月 18 日閣議決定)に基づき、感染症有事に備える取組について、医療機関への支援等を含め、より実効性のある対策を講ずることができるよう検討を行い、この検討結果等を踏まえ税制上の所要の措置を講じる。 厚生労働省 所得税
相続税、
贈与税、
法人税、
消費税

過年度からの継続要望に加え、新規要望、コロナ禍を鑑みた要望等がありました。
また、不動産登記法の改正法(相続登記の義務化等)が2021年(令和3年)4月21日に成立した関係で、相続登記等に係る登録免許税の負担軽減の要望がありました。

令和4年の税制改正大綱では、相続税贈与税の一本化に注目

税制改正大綱は12月に公表されます。
令和3年度の税制改正大綱では、相続税・贈与税の一本化を検討している旨が示されていました。
相続税贈与税が一本化が決定されると、今までの生前対策ができなくなり、節税対策として利用されていた暦年贈与ができなくなることが考えられます。

令和4年度の税制改正大綱でも、相続税贈与税の一本化に関し、どのような記載があるのか注目が必要です。

詳細は、相続税と贈与税が一本化!相続税対策には早めの贈与が効く!?をご参照ください。

押さえておきたい相続税の知識

申告までの期限が短く、税務調査率が高く、納め過ぎが多い税金です

①被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に申告が必要。

②5件中1件が税務調査され、9割近い確率で追徴課税が発生している。

③過大な財産評価や特例適用の見落としが原因で、8割が納め過ぎです。

相続税申告の期限が短い上に税務調査率が高いことが理由で、たとえ税理士でも安全に過大に申告させてしまうのが相続税です。払い過ぎの場合、税務署は指摘しません。払い過ぎたことを相続人は気づかないままです。

相続税申告を税理士に依頼するか迷われている方はこちらの記事を参考にしてください。

相続税に強い税理士とは?遺産を守り、残せる専門家の選び方
相続税はいくらかかる?無料で相続税額を計算シミュレーション

特に不動産・土地を相続する方はご注意ください

相続税は、累進課税方式です。つまり、受け継ぐ相続財産が多くなるほど負担が増える仕組みになっています。そのため、不動産などの相続財産を、税理士がどう評価するかで、支払う相続税額が大きく変わってくるのです。

当税理士法人は、国内トップクラスの相続税の還付実績で培った知識と経験から、1つ1つの土地に適した評価を早く正確に行います。こうした適正な土地評価が、大きな相続税の節税につながります。

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この記事の監修者

岡野相続税理士法人
代表税理士 岡野 雄志

税理士・行政書士
早稲田大学商学部卒業

相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
全国各地の相続税申告・還付を累計5,392件(2024年10月末時点)以上手掛ける。
特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。

相続税専門の岡野雄志税理士
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