税理士の依頼にかかる費用・報酬料の相場について解説
「税理士の依頼にかかる費用や報酬料はいくらなの?相場は?」
税金を申告する際、税理士に依頼しようか考えている方にとって、何よりも気になるのが税理士の依頼にかかる費用や報酬料でしょう。
一口に税理士の費用や報酬料といっても「個人事業主の確定申告」や「法人の決算申告」、「個人の確定申告」や「相続税や贈与税の申告」など、依頼の内容によって金額が異なります。
また、費用を見て依頼を躊躇する方も少なくないかもしれませんが、依頼するメリットを知ることで、安心して決断することができるでしょう。
そこで今回は、税理士の依頼にかかる費用を申告内容別でご紹介し、あわせて依頼するメリットについて解説しますので、ぜひご参考ください。
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税理士の依頼にかかる報酬額・費用の相場は?
個人事業主の相場は数万円~20万円。法人であれば10~30万円、個人の申告(譲渡所得など)では数万円~30万円が相場とされています。さらに、相続税申告においては、遺産総額の0.5~1%が相場です。
このように、税理士の依頼にかかる費用の相場は、全体的にみると数万円~30万円といったところではありますが、実際は依頼する側が「個人事業主」なのか「法人」なのか、それとも「個人」や「相続税」といったように税務内容の形態によって金額が異なる他、依頼の内容によっては別途で追加料金が発生することがあるため、ご自身が依頼する内容を的確にした上で、金額の相場を確認するといいでしょう。
税理士の報酬額・費用の相場
個人事業主の確定申告 | 数万円~20万円(顧問契約料抜き) |
---|---|
法人の確定申告 | 10~30万円(顧問契約料抜き) |
相続税申告 | 遺産総額の0.5~1% |
個人の確定申告 | 数万円~30万円 |
税理士を選ぶときに気をつけたいことは?
確定申告を依頼する税理士を選ぶときに気をつけたいことは、一口に税理士といっても医師と同じく税理士にも専門分野があるため、自分が依頼する内容を得意としている税理士を選ぶことです。
法人の申告であれば、会計や法人税法を得意とし、法人の申告経験が豊富である税理士を選び、相続税申告であれば、財産の評価(特に土地の評価)に慣れており、相続税申告の経験や実績が豊富な税理士を選ぶことです。
自分が依頼する内容を得意としている税理士に依頼することで、節税できるポイントを見逃すことなく、将来を見据えたアドバイスを含めた適切な申告を行うことができます。
つまり、専門分野関係なく「税理士ならどこでもいい」といったような選び方をした場合は、税金で思わぬ損を招きかねないということです。
税理士に依頼するときは、自分の依頼内容に特化している税理士を探しましょう。
「個人事業主の確定申告」税理士費用の相場
「個人事業主の確定申告」税理士の費用相場は?
個人事業主の確定申告を税理士に依頼した場合にかかる費用の相場は、数万円~20万円です。
さらに内容を細かく見てみましょう。
申告に関する内容 | 報酬額・費用の相場(顧問契約料抜き) |
---|---|
帳簿等の作成+申告書類作成 | 売上額500万円未満:数万円~10万円程度 売上額500~1,000万円未満:15万円程度 売上額1,000万円以上:20万円程度 |
申告書類作成のみ | 数万円~10万円程度 |
このように、依頼にかかる費用は、帳簿等の作成込みの依頼なのか、それとも申告書類作成のみの依頼なのか、それに加えて税理士と顧問契約をしているか、していないかで金額が異なってきます。
顧問契約をしている場合は、税理士は税務相談や記帳代行、業績などの経営分析などを担うため、当然売上が多くなるほど業務が増えるわけですから顧問契約料は売上額によって左右されてきます。
また、顧問契約の締結数が多い税理士や、ひとりですべての業務を担っている税理士などは、収支計算の総仕上げとなる確定申告の時期は非常に忙しくなることから、顧問契約を締結していない事業主からの依頼は受けていないといったケースも少なくありません。
個人事業主とは?
個人事業主とは、開業届を税務署に提出して事業を営んでいる人のことをいいます。
規模には制限などありませんが、事業主ひとりから少数の従業員をかかえる比較的小さな規模で経営しているのが一般的です。
個人事業主の確定申告期限
個人事業主の確定申告期限は12月31日を決算日とし、所得税の申告を翌年の2月16日~3月15日までに行います。また、課税事業者の場合は所得税の申告に加え、3月末までに消費税の申告を行わなければなりません。
個人事業主の確定申告を税理士に依頼するメリット
個人事業主の確定申告を税理士に依頼するメリットは、「時間や労力の負担がなくなる」「的確な節税ができる」「適切な申告ができる」です。
個人事業主は比較的小規模人数での経営が多く、ひとりひとりの業務負担が限られています。
そのような中、申告の時期となると記帳や申告書類の作成で非常に多くの時間を要することとなる他、忙しさから体調を崩す方もたくさんみられます。
税理士に依頼することで、申告手続きに関わる時間や労力の負担がなくなり、本来あるべき業務に集中できるというメリットがあります。
また、個人で申告を行った場合によくあるのが計算ミスや申告漏れ、適切に特例を活用することができず、節税につながらないといったケースです。
計算ミスや申告漏れがあった場合、税務署では修正してくれませんから当然再度修正申告をすることとなり、さらには税務調査による追徴課税が発生することにもなりかねません。
また、特例を活用することにより節税に期待することができますが、個人で行った場合は使える特例の判断が難しく、結局特例を活用せずに申告してしまうという方も少なくないようです。
そういったミスや損を避け、的確な節税、適切な申告を完了することができるのが税理士に依頼する大きなメリットといえるでしょう。
「個人の確定申告」税理士費用の相場
「個人の確定申告」税理士費用の相場は?
個人の確定申告を税理士に依頼した場合にかかる費用の相場は、数万円~30万円です。
個人の確定申告は、譲渡所得や、医療費控除、住宅ローン控除、退職所得などがあり、申告の内容によって費用が増減します。
たとえば、譲渡所得の申告であれば、土地や建物を売却した際に発生する利益によって依頼の費用は変動し、さらに特別控除などの特例を活用した場合は1~8万円ほどの追加料金が発生することもあります。
依頼する申告内容 | 税理士費用の相場 |
---|---|
譲渡所得の申告 | 5万円~30万円 ※特例の活用により別途料金が発生することが多い |
医療費控除の申告 | 2万円~5万円程度 ※領収書の枚数で費用が変動することがあります |
住宅ローン控除の申告 | 2万円~5万円程度 ※名義人の数で費用が変動することがあります |
退職所得の申告 | 2万円~5万円程度 ※退職所得の額によって費用が変動することがあります |
個人の確定申告期限
個人の確定申告期限は、毎年3月15日までです。
ただし、医療費控除・住宅ローン控除に関しては、万が一忘れた場合や期限内に申告できなかった場合でも、5年以内に申請すれば控除を受けることができます。
逆をいえば、5年経過した場合は手続きすら行うことができなくなるため、早めの申告を意識しましょう。
個人の確定申告を税理士に依頼するメリット
個人の確定申告を税理士に依頼するメリットは「時間や労力の負担がなくなる」「的確な節税ができる」「適切な申告ができる」「比較的リーズナブルな費用で依頼することができる」です。
個人で行う確定申告の内容は、多額の医療費がかかったため医療費控除を受けたい、出産費用が医療費控除の対象となったため還付の申請をしたい、マイホームをローンで購入したため住宅ローン控除をうけたい、土地売却で発生した譲渡所得の申告をしなければならない、退職金を受け取ったため、申告が必要となったなどさまざまです。
これらの所得や申請が年間のうち数種類重なった場合は、まとめて申告します。
このような場合、自分で申告手続きをするとなれば必要な添付書類を収集するだけでも相当の時間を要することになります。
さらに、譲渡所得の申告においては税法の規定が多く、特例の活用に関する判断は慎重に進めなければなりません。
こういったリスクは税理士に依頼することで解決し、「依頼から申告完了まであっという間に終わった」というくらい申告に対するストレスや不安を感じることなく終えることができます。
また、譲渡所得の確定申告は売却利益の額や特例を活用することによる別途料金が発生するため、一概にリーズナブルとはいえませんが、その他の確定申告は比較的リーズナブルな費用で依頼することができるのもメリットといえるでしょう。
しかし、医療費還付金が4万円程度に対し、税理士の依頼にかかる費用が3万円といったように、プラスが少なくなるケースもあり得ます。
ただ、このような場合は見積もりの段階で分かるはずですから、何も知らずに損が生じることは考えにくいでしょう。
むしろ「それでも確実に申告をしたい」「時間がないため代行してもらいたい」といった方もめずらしくなく、それほど自分で確定申告を行うというのは大きな負担だということがわかります。
「法人の確定申告」税理士費用の相場
法人の確定申告を税理士に依頼した場合にかかる費用の相場は、10万円~30万円です。
法人となると、顧問契約を締結していることが多いですが、上記の相場は顧問契約料が含まれていない金額となります。
顧問契約料は、基本的に売上額に応じた金額設定となり、医療業や飲食業、建設業や不動産業など業種によって金額の増減が生じます。
売上額 | 顧問契約料:月額料金の相場 | 確定申告料金の相場 |
---|---|---|
年商1,000万円未満 | 1万円~ | 10万円~20万円 |
年商1,000万円~3,000万円 | 1.5万円~ | 20~25万円程度 |
年商3,000万円~5,000万円 | 2万円~ | 25万円~30万円程度 |
年商5,000万円~1億円未満 | 2.5万円~ | 230万円~35万円程度 |
年商1億円以上 | 要相談 | 要相談 |
また、顧問契約を締結していない法人が決算のみの申告を依頼した場合は、顧問契約を締結している場合の相場額よりも費用は割高になる傾向があります。
法人とは?
法人とは、人と同じように法の権利や義務の主体として扱われる団体のことをいいます。
具体的には、営利法人と非営利法人があり、営利法人は株式会社や合同会社、非営利法人は一般財団法人や一般社団法人、NPO法人などがあります。
法人になるためには、公証人による定款認証や法務局での登記申請、各機関への届け出などさまざまな手続きを行う必要があります。
法人の確定申告期限
法人の確定申告期限は、決算日から2カ月以内とされています。
また、法人の場合は決算日に算出された決算内容をもとに申告するので「決算申告」とも呼ばれています。
法人の確定申告を税理士に依頼するメリット
法人の確定申告を税理士に依頼するメリットは、「時間や労力の負担がなくなる」「的確な節税ができる」「適切な申告ができる」「信頼性が高くなる」です。
時間や労力の負担・的確な節税・適切な申告は、個人事業主の項で前述したことと同様です。
税理士に依頼することで、本来ならではの業務に専念できること、法人の権益を守るべく節税対策や税務調査を避けるための適切な申告は税理士に依頼する基本的なメリットです。
それに加え、確定申告を税理士に依頼した場合は、申告書類に税理士の署名が入ります。それにより、税の専門家が行った確定申告として「信頼性が高くなる」という大きなメリットもあります。銀行から融資を受ける際にも決算書の提出を求められることがありますが、その場合にも信用性が高く評価されるというメリットがあります。
「相続税申告」税理士費用の相場
「相続税申告」税理士費用の相場は?
相続税申告を税理士に依頼した場合にかかる費用の相場は、おおまかな相場として遺産総額※の0.5~1%程度と考えておくといいでしょう。
実際には、遺産総額ごとに報酬料〇万円と設定されていることが多く、細かくみると下記のような分布となります。
※遺産総額とは、相続した財産の総額のことをいい、相続税はこの遺産総額に基づいて算出します。
遺産総額 | 基本報酬の相場 |
---|---|
~5,000万円 | 18万円~25万円 |
5,000万~7,000万円 | 28万円~40万円 |
7,000万~1億円 | 38万円~45万円 |
1億円~1.5億円 | 53万円~60万円 |
1.5億円~3億円 | 60万円~80万円 |
3億円~5億円 | 80万円~105万円 |
5億円~ | 要相談 |
なお、上記の相場額は基本報酬のみの金額であり、相続税申告にかかる費用には基本報酬の他、加算報酬額といって、相続人の数や財産の評価の難易度などにより金額が加算される報酬体系が設定されていることが多いです。
相続税申告加算報酬額の例
- ・相続人2人目以降につき1人あたり基本報酬×10%の金額を加算
- ・非上場株式は1銘柄につき〇万円を加算
- ・財産評価が著しく複雑であった場合は別途加算 など
このように、相続税申告を税理士に依頼した場合にかかる費用は相続人や遺産の内容によって大きく異なるため、ホームページ等で基本報酬額や加算報酬額について明記している税理士を選ぶほうが安心です。
逆に、ホームページ等に報酬についてはっきり明記されていない場合は、設定金額が割高な印象です。報酬に関する不安を解消するためには、事前に見積もりをとるなどして確認することが重要です。
相続税の申告期限
相続税の申告期限は、相続が開始されてから10か月以内とされています。
相続税申告期限で注意したいことは、相続税の申告は相続した財産を評価しなければならないことや、収集する必要書類の数が多いことから、申告手続きに多くの時間を要するということです。
そういった背景を考慮すると、10カ月という期間は長くはありません。余裕をもって手続きを開始することが重要です。
相続税申告を税理士に依頼するメリット
相続税申告を税理士に依頼するメリットは「時間や労力の負担がなくなる」「的確な節税ができる」「適切な申告ができる」「二次相続に備えた節税サポートを受けられる」です。
どのような申告でも自分で手続きをするとなれば、時間や労力の負担は大きくかかるものです。
特に相続税は「財産の評価」といった業務があり、現金や預貯金のように財産額そのものが評価額とされるものだけではなく、土地や家屋のように評価額を算出しなければならない財産もあるため、自分で手続きを行うとなれば、相当の時間や労力を必要とします。
しかし、相続税に慣れている税理士に依頼することで、その負担はなくなり、さらに財産の評価額を最大限に抑えてくれるため節税に期待できます。
また、一次相続で誰がどのように財産を相続し、どのような特例を活用すれば二次相続時の相続税の負担が抑えられるのかなど、近い将来発生する相続(二次相続)に備えた節税サポートを受けることができるのは大きなメリットです。
相続税に慣れている税理士に依頼することで、適切な申告を行うことができるため、当然税務調査率も各段に低くなり、過払いなどの心配もなく、大切な人が残してくれた財産を守ることができます。
【相続税申告】税理士報酬・費用の相場について解説
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岡野相続税理士法人では、開業以来19年間相続税を専門としており、高い知識と豊富な実績により、各種専門家やご利用いただいたみなさまから厚い信頼を寄せていただいております。
実際、岡野相続税理士法人では過去3,226件以上の相続税の申告書を見直してきましたが、その70%~80%の申告書で土地の評価に誤りを見つけ、適正に見直すことで累計190億円の納めすぎた相続税を取り戻してきました。(2024年10月末時点累計)
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代表税理士 岡野 雄志
税理士・行政書士
早稲田大学商学部卒業
相続税を専門に取り扱う税理士法人の代表。
全国各地の相続税申告・還付を累計5,392件(2024年10月末時点)以上手掛ける。
特に土地の評価を得意とし、不動産相続の実績は業界でもトップクラス。
相続税関連書籍の執筆や各種メディアから取材実績多数有り。